<キノピオに変速機を装備>
このページは木製自転車「キノピオ」に変速を付けた行程を簡単に紹介します。

エンド形状により外装変速機は付きません。見た目にもメカが丸見えなのはどうもイケません。フレームのリアエンドは車軸を固定するネジやワッシャーすら隠したくて設計したのですから今後もおそらく内装変速を採用すると思います。内装、外装それぞれ長所と短所がありますが、キノピオには内装4段変速を採用しました。自転車の後ろ姿を大事にした、こだわりデザインです。

写真下は装着前のシングル仕様です。

内装4段変速機を内蔵したハブです。現在、内装変速機は3段、4段、7段が入手可能です。シマノ・インター4を採用しました。3段のものは歴史が古く私が生まれたときにはもうあったそうです。4、7段はここ7〜8年の製品で初期の頃はシフトワイヤーがセットしにくく大不評でした。これが最近改良され非常に簡単にセット、調整出来るようになり、「ムムこれは良いなぁ」となったわけです。実際シングル(独身ではなく変速なしの事)で日本一周している人もたくさんいますからシングルでも立派に走りますし、それに変速機のない方が重量が軽くてすみます。ただ起伏の激しいコースで快適に走るためにはやはり変速機がほしいところです。
<シマノ・インター47>どちらにしようか迷いましたが、インター7の製品重量がインター3.4と比べて非常におもいのが選んだ理由です。インター7は4よりもややワイドなギヤ比で細かくシフトチェンジできるというのが最大の利点でしょう。インター7で246%、インター4で184%の変換率で実際のギヤ板に置き換えると、インター7が35〜14T インター4が23〜13Tです。インター7の重量がもう少し軽くなれば採用したいと思います。

ところでMTBの24段変速で通常の街乗りで使用されるのは5〜6段で、ほとんどの方がフロント・ディレーラーを使用していません。何ヶ月も通勤にMTBを使っているのにフロント・ディレーラーの存在を知らない人もいます。というわけで4段! 重量と快適性を天秤にかけた選択です。

このインター4にはおまけ機能が付いていました。盗難防止機能で、シフトレバー側で一杯にワイヤを引くと車輪がまわらなくなる機構でレバーに小さな鍵がついています。あまり役には立ちそうもありませんがチョイ乗り泥棒には効果があるかもしれません。

写真右がインター4です。変速ワイヤを取り付ける小物はスナップリングでハブに固定されています。この小物は樹脂製でワイヤの引っ張る距離でシフト位置を決める大事な部品です。よく見ると赤い線が外周に刻まれています。外すときはスナップリングを飛ばさないようにリングプライヤで抜き取るとスプロケットの交換が可能です。このハブはシングルに比べるとかなり大きな板が入っています。またスプロケットは歯先が外側へオフセットしていて裏と表を間違えるとチェーンラインがおかしな事になってしまいます。
写真下:ドライバーが指す方がシングルハブです。ここにスプロケットを固定するリングがあります。切れ目の入っている付近をマイナスドライバーで押し上げてリングをハブから取り除きます。また大きなスプロケットに交換をすると以前使用していたチェーンが短くて使えなくなることがあります。どうせならついでに交換です。チェーンのコマを継ぎ足す事も可能ですがジョイント箇所が多くなりチェーン切れのトラブルを引き起こしかねません。私も以前ケチって継ぎ足しチェーンでツーリングに出かけ、イリオモテ島で大変な目に遭いました。
<内装と外装変速>

外装変速とはMTBなどに装備されてる変速メカで最近は8段9段が当たり前になってきて、フロント3段と組み合わせると30段なんてのも市販されるようになりました。ますますチェーンが細くなり変速機やスプロケットも精度が求められています。多段化により幅広い走行条件をクリアできる反面デリケートなメカとなり調整にはかなりの経験が必要になります。

内装変速はフリーハブと一体化メカユニットは、すっぽりハブ・シェルの中なので外的影響をほとんど受けません。外装に比べると変速機構が複雑で重量がありますが変速トラブルの90%以上がワイヤストロークの調整で治ります。3段、4段のものが一般的です。変速機本体のトラブルがあるとその複雑な構造のためユニット全体を取り替えることになります。むかし3段ユニットを全てバラバラに分解して組み立てたことがありますが、あれを思うと7段などは勘弁してもらいたいですね。

盗難防止機能付きのためハブ芯をガッチリフレームに固定しなくてはなりません。車輪をロックするのが変速機なので色々問題が発生しました。まずハブ芯の固定のためM10のネジだけでは固定力が足らず、黄色いパーツを使用して構造的にハブ芯をフレームに固定します。黄色のパーツがインター4の付属パーツなのですが、その固定面は小さくアルミフレームを考慮していません。また厚みが5mm程度ありその 外側にチェーン引きを付けるキノピオは通常よりもさらに5mm外側にチェーン引きを取り付けることになりました。四角いプレートの中心に開いてる穴を5mm程度ずらして対処しました。
もう一つの問題が発生!この黄色いパーツ、開いている穴をよく見ると円ではなくハブ芯の面取りに合わせて穴が開けてあります。構造的に固定するには仕方がありませんが、問題はハブ芯が固定されることで変速ワイヤの取り出し向きが決まってしまうのです。当初はリアのスプロケットをシングルハブから持ってきて、フロントチェーンリングを小さくしドライブのコンパクト化(コンピューターの話ではありませんよ)を目指していましたが、どうしてもワイヤがチェーンに干渉します。この小さな黄色い奴のおかげでコンパクト化は断念しました。デザイン的な理由でハブ軸を固定するエンドの溝が普通の自転車の設計ではありません。チェーン・ステーが湾曲している為それに沿わせて溝を掘ってしまったので今回の問題が発生してしまいました。この部品をこちらで制作しなくてはならないかもしれませんね。
写真上:チェーンテンショナーはキノピオのための専用設計です。

写真右:反対側は茶色の位置決めパーツ。黄色と茶色の憎い奴! 今後は盗難防止機能の付いていない普通のインター4を爪ワッシャを外して装備したいと思います。

写真下:エンド補強用の特大ジュラルミンワッシャも外さなくてならなくなりました。もともと皆に過保護ワッシャだと言われていたのでこの際に取り除いてテストライドです。

注!整備中につき自転車が天地が逆さまで写っています。
後日、このワッシャーなしで組みましたが、15番のナットがしっかり締まってさえいれば問題ないようです。ゆるむと変速ワイヤとワイヤを固定している金具ごと回転してしまいチェーンに接触する事になります。おそらくメンテナンスに気を使わない中高生を代表とするヘビーユーザー向けに安全面の配慮からこの部品をセットしていると思われます。
左の写真はフロント・ローラーブレーキです。キノピオはフロントフォークまで木製ですから台座に負担の掛かるカンティブレーキは装備できません。クラウンにサイドプル・ブレーキを装備できたのですが、やはり見た目重視でフロントもローラーブレーキにしました。試作機に装備しているローラーブレーキは放熱フィンが大きくディスクブレーキのようなデザインですが、ディスクブレーキほど効きません。効きすぎるとフレームに過度の負担が掛かりますし、競技車ではありませんので、メンテナンスのし易さとデザインで採用しました。またこのタイプはワイヤの固定が特殊でワイヤがダルマとアウターストッパーごとワンタッチでブレーキ本体から取り外せます。

注!自転車の改造およびメンテナンスは個々の自己責任において行なって下さい。特にブレーキは生命に危険を及ぼす重要な部分です。経験のない方の単独での修理や改造はおやめください。
1号機のフレームが完成した時
私は喜びのあまりフレームに車輪とハンドルだけ取り付け
坂道を下って気が付きました。

ブレーキがないと止まれないのですよ、自転車って・・。


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