TINO-SANA木工博物館
イタリア・ベルガモの郊外で木の自転車を作る人がいる、TINO SANA その人である。彼は大きな会社を持っていて船舶用の木製家具を中心に製品をリリースしている。もともとこの地域は木工が盛んな地域で、ここに古い木工道具や自転車を集めた博物館が工場に併設されているので行ってきた。彼の作った木製自転車ももちろんあるが以前日本の(株)シマノが持っている自転車博物館にもあったトリノ製木製自転車がココにもあった。FRATTERI VIANZONE TRINO ヴィアンツォーネ兄弟社トリノ と書かれた自転車を堺でみたが、全く同じモノだった。 ココには他に水車時代の木工旋盤、帯鋸盤など現在の産業機械の元になった工作機械が何十台も展示してあって、野外では実際に水車が設置され稼働している水車動力の大型機械を見学することができる。昔の工房を再現した展示もありオナカ一杯になれる。気に入ったのは地階の職業別はたらく自転車。牛乳屋さん、鍛冶屋さん、刃物屋、傘屋等の自転車が20台ばかり展示してある。つい数十年ほど前まで自転車が人びとの生活の中に取り入れられていた証拠。刃物やさんの自転車はクランクからチェーンでつながっった回転砥石をペダルで漕いで出張研ぎをこなす。自転車を見ているだけでイタリア人のたわいもない会話が待っているお客とペダルを漕いで研いでいる職人の間で交わされたことだろう。なんとも言えないノスタルジーが漂う博物館は土曜の午後と日曜しか開いていないので注意したい。と言う私も金曜に行って閉まっていたので出直した。

洋カンナがずらっと並ぶ。カンナは和式と違い押して使うためハンドルが付いているモノも多い。
再現された寄せ木工房には木製ミシン鋸が展示されている
牛乳屋さん 傘屋さん 料理屋さん
鍛冶屋さん
職業自転車コレクション
散髪屋さん
ココの木製自転車は250台をすでにリリースしているそうだ。手に入れるには1年近く待たなければならないらしい。しかしこの製品、思っていたよりも重く完成車の状態で25キロもある。木製車輪の慣性も手伝ってかなり運転も大変だと想像が付く。しかも制動に普通自転車に使われるサイドプルブレーキを前後に装備しているのでなかなか止まらないだろう。車輪はやはり軽いに越したことはないと昔、スポークホイルについて論文を書いたことがある。もし木製にこだわるならリム(外周の輪)を木製にして、スポークを使用する構造体にするのが最も有利だと思うのだが・・見て楽しむと言うなら2重マルかなぁ。実はココの製品も合板を使った構造で垂直方向に積層される。後輪を支える4本の足は積層方向がタテの方がチェーンリングとタイヤの間を有効に使用できるのだが、フレーム構造の前三角であるメイン部分では前輪と後輪のシナリを制御するにはやはり水平方向がベスト。フレームのたわみがプラスに働くと考えるがどうだろう。どうもココの社長、TINO SANA 氏は自転車がとても好きなようで彼とのコラボレーションで次の木製自転車を造ってみたいものだ。しばらく週末は自転車と一緒に通って彼と話す機会を伺ってみよう。



http://www.tinosana.com/museo.htm

ミラノから 国鉄MILANO GARIBALDI(ミラノ・ガリバルディー)駅よりBERGAMO(ベルガモ)行き、PONTE S. PIETRO(ポンテ・サン・ピエトロ)駅で下車もしくはMILANO CENTRALE(ミラノ・チェントラーレ)駅、ミラノ・ガリバルディー駅よりLECCO(レッコ)行き、途中のCARNATE USMATE(
カルナーテ・ウスマーテ)駅でベルガモ行きに乗り換え、同じくポンテ・サン・ピエトロ駅で下車、北にタクシーで約10分 via PAPA GIOVANNI ???、59-20139  ALMENNO SAN BALTOLOMEO BERGAMO

大きな工場を持っているので駅で聞けばたいがいの人がココの場所を知っている。
TINOSANA製木製自転車はホイールまで木製だ
足踏み動力の旋盤・足踏みで削っていた時代が忍ばれる。
鋳物原型を造るための道具や原型が展示されている。
ミラノからの道中こんな鉄橋を渡るとすぐに目的駅の「ポンテ・サン・ピエトロ」に到着する。 馬車なども地下に収蔵されていて楽しめる